紹介
血管診療センター(火)(金)
※動脈硬化疾患・静脈瘤・リンパ浮腫などの脈管専門外来です
診療内容
当センターで扱う疾患は、動脈瘤を除くと下肢の循環障害を呈する疾患がほとんどです。フットケアを要する血管疾患の症例数としては、下肢静脈瘤、閉塞性動脈硬化症、下肢深部静脈血栓症、リンパ浮腫、糖尿病足病変の順であり、これらは日常診療でもよく見られる疾患です。また、動脈硬化症は早期発見が可能ですので、予防面に対しても20年前から「動脈硬化血管検診」に積極的に取り組んでいます。(※脳と血管ドック参照)
足と脚(あし)の外来
日常生活において下肢(足も含む)が「だるい」、「むくむ(とくに夕方)」、「かゆい」、「夜間、つる(こむらがえり)」、「しばらく歩くと歩けなくなり、休むとまた歩ける」、「足の冷え」、「足の痛みやしびれ」、「下肢全体がはれる」などの症状があるが、どこを受診してよいかわからない人を診察します。
脈管疾患の外来
脈管診療では、動脈は動脈瘤と虚血、静脈はうっ血、リンパでは浮腫や炎症を診ていることになりますが、いずれも基礎疾患や併存疾患があるため血管検査室(バスキュラーラボ)で形態と機能の総合的評価が必要です。学会で認定された脈管専門医が患者さまが適切に治療、選択できるように診療いたします。糖尿病性足病変を含む四肢、体幹の脈管疾患なんでも結構です。(頭頚部と心臓は除きます)
脳と血管ドック
放射線専門医の脳MRI検査とコラボレーションして血管ドック(動脈硬化血管検診と下肢静脈うっ血評価)を行っています。動脈硬化症は早期発見が可能ですので予防面でも積極的に取り組んでいます。
医療用接着材(グルー)で下肢静脈瘤をふさぐ最新の「血管内接着材治療」とは
血管内接着材治療は、2019年12月に保険適用になった治療法で、下肢静脈専用に開発された医療用接着材(グルー)を、カテーテルで治療する血管内に注入して血管を閉塞します。10年前に登場した熱によって血管をふさぐ血管内焼灼治療と比べて、熱を伴わない血管内接着材治療は、やけどや神経障害など周辺組織への影響や痛みが少ないといった日帰りで低侵襲治療ができるのが大きな特徴です。また、血管内焼灼治療では熱による痛みや合併症に対する対策として必須であったTLA麻酔(下肢広範囲の局所麻酔)が不要となるため、針を刺す回数が減り、麻酔浸時の痛みや術後圧迫の必要性もなくなりました。ただし、血管内にグルーを注入するので、グルーに対するアレルギー反応を示す方も3〜4%いますが抗アレルギー剤(ステロイド含有)の短期間服用で軽快します。2021年4月〜2023年8月までの2年間半で695例(931肢)の血管内接着剤治療を施行しています。東日本一の症例数です。
医師紹介
部長(血管診療センター長)
市来 正隆いちき まさたか
血管診療センターは豊富な症例の診療で全国でも名前が知られています。国内でのパイオニアとされる血管検査室(バスキュラーラボ)を20年前に開設しました。臨床面と研究面の双方で実力を伴っているとされる「脈管専門医」と「臨床血管検査技師(CVT)」の資格を有するスタッフを中心に特徴的かつハイレベルな血管診療を行っています。腹部大動脈瘤は1,000例を超える豊富な手術経験を持ち、また閉塞性動脈硬化症と下肢静脈瘤の診療ではどこにも負けない自負があります。(※血管外科手術件数グラフ参照)最近は、下肢静脈瘤の血管内治療は年間500件以上になっています。その余裕で「足と脚の外来」、「動脈硬化血管検診」、「先進的な治験」などを積極的に展開しています。これからも皆さまのご期待に添えますように日々研鑽しますので、よろしくお願い申し上げます。
資格・認定等
- 医学博士
- 日本血管外科学会特別会員
- 日本静脈学会名誉会長
- 近赤外線分光法学会世話人
- 日本外科学会指導医専門医
- 日本脈管学会名誉会員
- 日本脈管学会脈管専門医
- 麻酔標榜医